Mr.traveling Man 友井雄亮 BL小説


呼んで、熱く口づけする。水に濡れて長時間裸でいたので、風邪をひいたらしく熱っぽいのもあるが、秀太郎にされたキスがぐるぐる頭の中でまわっていて、ぼんやりしてしまうのである。「あ、息詰めちゃダメ。声出していいんです。だからちゃんと息して」。樋口は、目を細めて、スーツの内ポケットから茶封筒を取り出す。それとも、青幇のヤクザ者に礼儀を求めようとする麻尋のほうが間違っているのだろうか。もう一つの……男である自分には降りかかるはずのない、恐ろしい可能性を思いつかなかったわけではないけれど、深く考えることを脳が拒否していた。

「基樹と京くんは違う人間なんだから、同じように比べようとしてはだめだよ」。桐谷の手の中のものがどうなっているのか、成は知っているのだろうか。もう少し、ほかになにか言い様はないのだろうかと、さすがの雪貴も内心ちょっぴり思ったが、これが龍之介なんだと思えば、なんとなく笑えた。「そういえば……新しい『アヌーク』、まだ?」。ジェレミーは両手を僕の顎に当て、自分のほうを向かせた。「――あとでいい」。「ほんとにありがとう、こんなふうに……時間、作ってくれて。場所も――」。

頷いたハーコンは、ゆっくりと村に向かって歩き始めた。まるで、恋人のように。

低くつぶやいたかと思えば、二の腕を掴まれて引き寄せられた。

「お前は?抱き締めて、香りを奪い取りたいと思ってる俺と同じように、俺を好きでいてくれるか?もしそうでないなら…これは夢だったってことにしても…」。

自分の恋は実らなかった。ジーンズの前が開けられ、手がダイレクトに下着の中に入ってくる。頭がぼうっとして、何も考えられなくなってくる。素っ気なく踵を返した広い背中は、俺をたまらない気分にさせた。


ボーイズラブ小説作品紹介


母の再婚を認めたくない高校生の慶斗は、反対するため再婚相手である長森の家を訪れる。しかし、体調を崩していたせいで、長森を前にして倒れてしまい、看病されることに。研修医だという長森は無愛想でしかも26歳という若さ。戸惑いつつも看病してもらった慶斗は、次第に長森に心を許していくが……。

タイトル:熱っぽいのは恋のせい?
著 者 名:神香うらら
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:フロンティアワークス

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