情熱☆熱風・せれなーで 末続慎吾 少年愛小説


なぜこんなにも志方が怒っているのかはわからないが、彼が駄目だと言うなら従う。

「な……っ!」。濃密なキスは、濡れた音を立てて離れた。ドアを開けたとたんに目に入るピンク一色の部屋の衝撃度は最初と変わらない。視線を落とすと、膝も小さく上下していた。

ぶっきらぼうな低い声で尋ねられ、首を左右に振った。「おまえ、泣いてるのか?薫」。唇を噛みしめて、愛瀬は零一郎を睨む。八紘はせり上がってくる快楽に歯を食いしばった。消えかかる意識の中、パンパンと二度手を叩く音が聞こえ、それを引き戻す。「以前にも言ったはずだ。許可なく俺から離れるな。……お前は、俺をひとりにするな」。からかう望に笑い返そうとした青山だが、浮かべかけた笑顔は涙で崩れた。

自分の身に何が起こったのかわからず 茫然としているうちに、覆い被さってきた宇敷の唇が軽く触れて、薄い粘膜越しに感じた思いがけない体温の高さに胸がどきんと跳ねた。それとも、青幇のヤクザ者に礼儀を求めようとする麻尋のほうが間違っているのだろうか。逞(たくま)しい腕は俺をすっぽりと抱いていた。もう小篠の中で游は、大事な弟ではなくなったのだろうか。

俺は驚いて元浦の顔を見つめる。血こそ出なかったが、相当きつく噛(か)まれたらしい。

ああ、何を言っているんだろう。「ちくしょう、放しやがれっ。放……わっ!」。「北かぁ。テナン……じゃあないな………。あそこの連中は炭みたいにまっ黒だ。ヒュロスの商人にしても」。(ちょっと待て!聞いてねえぞ、こんなの!息できないって)口が駄目なら、鼻で息をすればいいようなものだが、こういう非常時には、人間そんな思考は働かない。彼に本当に抱かれてみたかった。なのに、涙が止まらなくなる。


ボーイズラブ小説作品紹介


知られたくない秘密が、誰にだってある……。吸血鬼であることを隠し、都会で生きている巴尭弘はある晩、街でからまれていた男、山神太地を助ける。純粋なのに野性的な太地に惹かれた尭弘は、一夜限りのつもりで身体を重ねたが、もっとそばにいて欲しくなる。しかし普段は温和な太地は夜空に月が輝いた途端、性格が豹変して……。孤独を癒すラブストーリー!

タイトル:月の秘密
著 者 名:剛しいら
レーベル:ダリア文庫e
発 行 元:フロンティアワークス

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