KAT-TUN 1st in New York 岩佐克次 ボーイズラブ文庫
「華南!」。「ああ。なんでわかる?」。変に心臓が鼓動を刻むのだ。角を曲がり、その足音が急速に近づいてきても、振り向く気も起きなかった。そんな篤臣の背後にそっと近づき、江南は、篤臣の頬に音を立ててキスをした。彼の顔を見ているだけで痛みが薄らぐ。足を動かす。
恐る恐る名前を呼ぶと、志方が低い声で唸った。「直くん、可愛い」。ほんのりと整髪料の匂いを漂わせる髪に顔を埋めたまま、薫はそっとそう言った。何度も、何度も、まるでさっき見つけた首筋のそれよりも多くつけてやるというように。
「俺は絶対遼一と一緒に暮らすって決めたんだ」。「京くんには基樹と違ういいところがあるんだ。僕はちゃんと知ってるよ」。いつまで経っても、ビクビクと震える腰の痙攣が止まらない。泣きたかったんだ、俺。飲み込み損ねた酒が、口の端から|零《こぼ》れ、|顎《あご》まで伝っていた。「れーいち、怒ってる。やっぱり俺が、刺したから……」。堂島のような商売をしていると、酔って絡んでくる性質(たち)の悪い人種も少なからず見てきた。
再び降魔の呪文を唱えはじめたサイファは、すがめた目でハーコンを眺めた。
「あ?」。彼は肩で息を吐きながら、呆然と地面を凝視している。近づいてきた春名が、間近に英一の顔を見下ろす。状況判断がつかなくて、身を守るようにキュッと体を縮こめるマリとは対照的に、宮地は背もたれに腕を載せたリラックスした体勢で、なんとも軽い口調で言った。更に言うなら、食事を終えた後お茶を飲みながらぼんやりと二人並び、くだらない会話を続けるのは『好きだ』と言い切れた。一瞬でも、いい人だから俺の願いを聞き届けてくれたなんて考えた自分のバカさ加減に腹が立つ。
「だめだって。ほら、映画見なくていーわけ」。近づく顔。
ボーイズラブ小説作品紹介
刑事・神崎史朗との距離が少しは縮まったと思ったナツキ……。なのに、史朗は仕事を理由にして相変わらずナツキに触れようとはしない。ひとつ屋根の下で暮らしながらも『本当は俺の事、好きじゃないのか……?』不安に思うナツキの元に、獄中にいるマスターから「逢いたい」。と手紙が届いて――。大好評!神崎&那月のハードな恋物語、『真夜中の標的』の続編登場!!
タイトル:熱砂の記憶
著 者 名:綺月陣
レーベル:講談社X文庫、 ホワイトハート
発 行 元:フロンティアワークス
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岩佐克次の最新関連情報
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